そういえば去年3月の北欧旅行も夏の南ドイツ旅行の写真も、まだアップしてなかった・・・いつかするかもしれないし、お蔵入りになるかもしれません。
今回の旅の目的は、
①ハプスブルク家ゆかりの地を満喫すること ②クリムトの絵を見ること
でしたが、どちらも満足。教会と美術館と宮廷しか行っていなかったといっても過言ではない、濃い旅でした。途中「ウィーンにいるならカフェ文化を堪能しなさい」とアドバイスも頂いて、ふらっと有名カフェでお茶をしたり・・・この気ままさが一人旅のいいところだとつねづね感じます。
ウィーンのシンボル、シュテファン寺院 |
ウィーンの目抜き通りにあるペスト記念碑。 もっとこう、おどろおどろしいのを期待していたんですが意外と綺麗にまとめちゃったようです。 |
ウィーン市内には観光用の馬車が常に行き来しています。 馬の足音が石畳に響いていい雰囲気 |
シュテファン寺院内部。 ヨーロッパ圏でも違いますがドイツ・オーストリアではクリスマスは三賢人が到着したとされる1月6日まで続きます。 なのでまだ教会内にはクリスマスの飾りつけが |
カタコンベ入り口 |
ガイドツアーでしか地下には入れず、説明は英語とドイツ語とあったので時間によって分かれているのかと思いきや、ガイドのおじさんが一人で、ワンフレーズごとに言葉を変えて説明するという荒業。一日何度も同じフレーズを言うから慣れているとはいえ、感服。
ウィーン市内 |
ハプスブルクのママ、マリア・テレジア |
やっとご挨拶できて光栄です |
ウィーン市内の歴史的名所にはこの赤い旗印があるのでわかりやすい |
エリザベートの像 |
さて、もはや「神話化」されている悲劇の美女エリザベートですが、私はどうも好きになれない・・・というのが正直な印象です。宮廷という閉鎖的かつ時代遅れの場に嫁ぎながらも、自分の生き方を貫いた自立した女性像と言いたいところですが。精神的に病んでいたと思うし、それがなくともかなり強烈な性格の持ち主だったんだろうと思います。皇后という立場どころか家族までも捨てて、生涯かけてすべてから逃げながら自分探しに没頭した彼女。最後まで彼女から拒否されつつも愛し続け、ハプスブルクの衰退期を見届けた彼女の夫、皇帝フランツ・ヨーゼフ一世に同情。
フランツ・ヨーゼフ一世といえば、執務室は一切高価なものを置かず、妻の肖像画を机の前にどーんと飾り、室内も家族や孫の写真でいっぱい。孫からのプレゼントを飾り、孫たちは仕事をする「おじいちゃん」の足元で遊んでいたとか。時折書類の切れ端や使用済みの封筒を、お絵かき用に子どもたちにあげていたというから泣けます。いい人・・・
「皇帝という立場は神から与えられたものである!」という王権神授説の信奉者だったので、(もう20世紀なのに)頭の固い典型的な保守的な皇帝だったといえばそれまでですが。
皇帝も使用したという階段 |
ハプスブルク家代々の結婚式が行われるアウグスティーナー教会 |
サラエボ事件で殺害されたフランツ・フェルディナント皇太子夫妻の暗殺を悼むプレート |
生前は不仲だった親子の棺は今は並んで安置されています |
30歳にして17歳の女の子と心中した皇太子ルドルフ。彼女の棺がここに納めることを許されず |
当時で86歳はなかなかの長寿では |
エリザベートの死の一報を聞いた皇帝最初の言葉は、 「私がいかに彼女を愛していたか、君にはわかるまい」だったとか。 |
大きすぎて棺とは思わず一度通り過ぎてしまったのは、マリア・テレジアと旦那さんの棺。 恋愛結婚で仲睦ましかったとか。 |
さて、日本でも東宝や宝塚でお馴染みのミュージカル・エリザベートを最終日の夜に観劇。本場ウィーンでは5年ぶりの再演だとか。ドイツ語上映ですが、英語字幕がついているあたりウィーンってつくづく世界的な観光都市なんだなと見せつけられます。
このエドムント劇場、駅から歩いて5分ほどなのですが治安があまりよくなさそうな地区なので、他のお客さんの波に乗って一緒に行動することをお勧めします・・・
宮廷など一通り観光してから観劇したので、実際エリザベートが着用したのと同じドレスを衣装として着ていたり、皇帝一家の葬儀用馬車が大道具として登場したり、舞台演出上の工夫にも気づくことができて興味深かったです。
本家でも絶好調に狂っていたルキーニ |
この二人は最後まで切なかった |
トート閣下が登場するたびに客席から「キャアアアアア」という黄色い悲鳴が。 |
後半にハプスブルクの衰退と反ユダヤ主義、ナチスの台頭を暗示するようなアンサンブルのダンスシーンがあるのですが、黒い服に帽子・ひげといったユダヤ人をイメージさせる男性が暴行されたり、ヒトラー・ユーゲントを連想させる一揃いの制服を着た一団の行進シーンが続きます。最後は右手を高々と挙げる「例のポーズ」で終わるのですが、客席は誰一人身動きもしない沈黙。痛いくらいの沈黙。毎回ショーストップのなるくらいの拍手が送られるのに、このシーンだけはまったく違った反応だったのが、私には非常に印象的。うーん、ヨーロッパだな。
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