1938年11月9日に、悪名高い「帝国水晶の夜」事件が起こりました。これは9日夜から10日未明にかけてドイツ国内で同時多発した反ユダヤ主義暴動のこと。世界史を履修した方なら、この聞くだけならロマンティックな名前を憶えているかもしれません。
実際は、ユダヤ人の民家や商店やシナゴーグが破壊され燃やされ、多くのユダヤ人が襲われたり殺された、凄惨な事件です。(破壊され略奪されたユダヤ人商店や民家の窓ガラスが割れて、月明かりに照らされて光っていたことから名付けられたとか)
キャンパス内にある一見すると何もない広場。ここはその事件の際、燃やされてしまったシナゴーグ跡地です。9日当日に訪れることはできなかったので、2日後に訪れてみました。
ちなみにドイツ人に「今日、その日だよね」と確認すると、「ああ、そういえば・・・・」と遠い目。当たり前ですが、この日を覚えている人はドイツ国内でも少なそう。
しかし驚いたことに、行ってみるとそこには新しそうな献花とたくさんのロウソクが。恐らく9、10日にここに来て、この場所に思いを馳せた人たちがいたのでしょう。市民団体か、ユダヤ人団体か、研究者たちなのか・・・
事件を説明するプレート |
地面にかつてのシナゴーグの敷地跡が示されている |
「教会は破壊され、ラビたちはリガ・ゲットーで殺害された」 |
駐在の警察官 |
ドイツには通常、街中に日本のような交番はありません。ですが、ここには「何もない場所」を警備する警察官が駐在しています。一見コワモテのこのおまわりさんに、例の献花やロウソクがいつからあるのか聞いてみたところ、やはり9日に訪れた人たちがいたとのこと。
なぜここに警察官がいるのか?今もなお、狙われているからだそうです。今も墓地やシナゴーグといったユダヤ人関連の施設は一部の過激派の、ターゲットだとか。
信じられないけれど、本当の話。
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